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社名を変えた理由 — 脱、美脚

  • 執筆者の写真: 桃子 吉永
    桃子 吉永
  • 6月9日
  • 読了時間: 5分

今日はなぜか頭にこの話が何度も浮かんできたので書いてみます。


去年の9月に社名を変更しました。


(ダイナミックビューティー株式会社から、株式会社enMUSUHIへ)


なぜ社名を変えたのかというと、一つの大きな勘違いが起きていたら嫌だなという思いを払拭したかったというのがあるからなんですが、それが何かというと、「私自身は美脚や美ボディになりたくて身体づくりをしたことがない」ということなんです。


私のメソッドは、プロアスリートの回復とパフォーマンスアップを行っている夏嶋隆という師から学んだことが土台となっています。 (ちなみに師はある軍医との出会いをきっかけに治療と動作の道を開拓しています。なので私のメソッドは物資が少ない戦時中の、負傷兵の回復を助けるための知識と技術から派生したものなんです)


元々私は治療家志望だったので19歳から26歳の7年間は施術的技術を訓練しています。ただし、もちろん勉強のメインは「動作」です。故障に至る動きと回復に至る動きについて一番強い関心を持っています。


その期間に師と出会ったのですが、その際、私はできなかったところからできるようになるという経験をしているので身体が思うように動かない人の気持ちがわかるということと、動きを言葉で説明できる能力があること、そして見本を見せるのが上手いということを師が見抜いてくださり、トレーナーに転向しました。


そしてこれは私の中で大きな英断となりました。なぜなら動きの指導をする(それによって生活の一部も変える)ということが、回復へのアプローチとして大幅に拡大したからです。


治療院に行って仮に一時的に治してもらえても、その人の無意識の動きのくせや生活習慣自体を改善しないと故障や不調は繰り返される(もしくはどんどん悪化する)という問題に対して真正面から取り組んでいる人がほとんどいないというか、今だに職業として広く認知された名前がない状態なので、そこの悩みを抱えている人は水面下にたくさんいらっしゃいます。


ご自身がインストラクターだったり、理学療法士だったりしても、自分の身体に故障が起きたときにどうすればいいかわからないという方はたくさんいらっしゃいます。それくらい、故障や回復に対する具体的な知識と技術が定着していないというのが私が認識している現状です。


身体の使い方にはルールがあるし、それだけでなくそもそも現代社会は人が土の上を歩かなくなり、あらゆる人工物に囲まれて生きているということでさまざまな影響が身体にもたらされているということにも興味を持ってほしくて活動しているというところがあります。


ただ沢山の方に「身体の使い方」という概念を認知してもらうためには、身体で悩んでいる人が望んでいることをきっかけにしないと興味を持ってもらえないということで「美脚」という言葉を使ってみたところ、思いの外反応が強かったということで定着していきました。


そんな背景があるわけですが、では私がなぜ身体づくりをしているのかというと、、、ただただ面白いからです。(何か期待させちゃった方、ごめんなさいm)


「身体の使い方を変えるとこんなに軽くて気持ちいいのか!」

「全身に血がめぐるってめっちゃ気持ちええ」

「身体って適切に動くと軽すぎてほとんど感じないのね」

「バレエの筋肉痛状態はまるでマリオのスター状態♩」


みたいなのがひたすら面白いんですよ。


もちろんたまたまそうなるのではなくて、「このように動かしたらこうなる」ということがある程度明確にあり、さらに面白いのは人間には自然治癒力や超回復があるので呼び水として理にかなった動きをすると、「勝手に整ってくれる」という現象が起こることです。


骨と筋肉の構造を見ると本当によくできているので「一体誰が作ったんだ」とその深さに何度も驚かされてしまいます。


もちろん上記の状態に身体が至るまでには様々な訓練を経ています。


基本、最初は痛みを伴います。でもその痛みは単なる苦痛的な痛みではなく、「快」に転じる痛みです。例えば腰痛の痛みとかとは全く種類が違う痛みです。その人の身体にとって、最初は本来の状態ではないので痛みとして感じてしまうのですが、最終的に本来の状態になるとその痛みは感じなくなります。そういう類の痛みです。


そういった身体の内側で起きていることが面白すぎるということ。そして外部の環境に対して自分の身体をどう使えば良いかということもだんだんと分かってきます。そういった応用も増えていくし、自分の身体に対して絶対的な信頼関係を築けることもできます。(そういう意味でも新しい社名のenMUSUHI[縁結び]は意味しています)


その結果、簡単にいうと見た目がバレリーナ体型になる、ということなんです。(別の言い換えをすると、その人の骨格や肉づきのバランスや血色などが最も整った状態になるという感じ)


これが「美脚になりたいと思って身体づくりをしたことがない」という理由です。


このことは、私の生徒さんならほとんどの方が理解してくださっています。私がどういう考え方であるか、どういう価値観を持っているか、ということをよくわかってくださっています。


でも側から見ると、「美脚にこだわりがある人」と思われかねないので、払拭する必要がありました。


現に私は書籍を出版してからあらゆる雑誌やメディアの依頼を受けましたが、全部テーマは「美脚」でした。もちろん窓口としてはそれでいいんです。そこからこのマニアックな世界に興味を持ってくれる人がいれば。身体の世界の面白さに夢中になっているうちに身体は整ってしまうし、なんなら身体づくりの知識と技術を獲得した暁には見た目に対する価値観も多少変容していることだろうとも思います。


「あなたはなぜ身体づくりをするのか(身体のことをやるのか)」


という問いは結構深くて、自覚しづらいことだと思います。


今の私はそこからさらに最上和子先生の原初舞踏がもたらす身体の世界にも足を踏み入れているわけですが、これは全く次元が違う話なのでまたの機会に。


もう一つ、私の大事なモットーとしては「社会に絡め取られない身体である」ということですね。


言ってしまえば私は身体中心主義者だと思います。多分。今のところ。

ただ人が私をどう見るかは別の話ですね。

 
 

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