大胸筋のストレッチ
- 桃子 吉永
- 7 日前
- 読了時間: 3分
肩関節は最も自由度が高い関節ゆえにポジションがずれやすい構造になっています。
そして義務教育の中で机に向かう姿勢とか、肩の正しいポジションを教えてもらう機会なんてものはないので、みんな思いのまま身体を使い、くせを生み出しています。
人生100年時代と言われていますが、「寿命が伸びても骨や関節がもたない」というのが私の持論です。
寿命が伸びることが良いかどうかはさておき、人生のどこかで(なるべく早い段階で)身体の使い方について学ぶことは多くの人にとって有意義な人生をもたらすのではないかと考えています。(それは単なる運動をする機会をつくるという話ではなく、身体の使い方を技術として習得するということです)
話を肩に戻します。
全身の関節には「ニュートラルポジション」という概念が存在するわけですが、現代人の多くは肩の位置がニュートラルポジションにありません。
肩が挙上していたり、本来の位置より前方にあったりするケースが多いです。
(ちなみに肩の位置がずれているだけでなく、上腕や前腕、肋骨のねじれも同時に起きています。肩関節の可動域が広い分、ねじれの方向も様々です。たとえば五十肩は、知恵の輪が絡まって動かなくなったのと似たような状態です。)
そうすると大胸筋は常に緊張しており、反対側の背中の筋肉(拮抗筋)は常に伸びて弱い働きしかできない状態となります。
そういう人にとって、この大胸筋ストレッチは役立ちます。
ちなみに常に肩のニュートラルポジションを保ったまま生活している人は、大胸筋は過度に働かないのでこのストレッチを行っても伸び感は感じられません。だから基本的にやる必要のないストレッチになります。
また重いものを持ち上げたり、四つん這いのような格好で身体を支える動作では、本来この大胸筋はメインではなく補助として働きますが、肩の位置がずれていると大胸筋が過剰に働き、うまく支えられなくなります。(本来は大胸筋ではなく前鋸筋が活躍します)
と、大胸筋ひとつとっても話し出すと1時間以上喋れると思います。
正しいやり方が知りたい人は、レッスンで学びに来てください。
私の身体で見せているこの見本は、ねじれがない身体での見本なのでとても簡単そうに見えるのですが、ねじれがある身体できちんと大胸筋に効かせるように再現するには、見よう見まねの我流では難しいんです。(対面指導でも、一回でフォームを習得できる方は一度も見たことがありません。)
私はオンライン講座(BEST BODY CLUB)でもこういった内容を指導していますが、こういった一つのストレッチについても20分以上の動画で解説しています。それほどに、動きを正しく伝えるのは大変なことなんです。
あらゆる身体を見てきた上で、陥りやすい問題点のすべてをカバーして説明をするので長くなるんです。見よう見まねで身体が変わるなら、もうとっくにみんな身体の悩みなんてなくなっているはずですからね。