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〈肩の故障〉回復プロセスのレポート

  • 1月22日
  • 読了時間: 7分

今日は、先日来てくださった50代の生徒さんの回復プロセスについて詳しく書いてみようと思います。


いかに適切な施術や動きの指導、適切なセルフケアが回復を何倍にも増大させるかということを伝えられたらと思います。


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●これまでの流れ


1、2024年春夏ごろから左腕が上がらなくなり、整形外科で【石灰沈着性腱板炎】と診断される


2、1回の注射で痛みがとれたと思ったらその後すぐ右腕に痛みが出てきて注射、衝撃波治療、リハビリをするが、2,3ヶ月痛みが続く


3、右腕の痛みが改善してきたらまた左腕が痛み出し、そこから治療を受けても痛みが取れない状態が長く続く


4、2025年9月初旬、ストレッチを行なった際に左肩の痛みが悪化し、治療を受けても眠れないほどの痛さが続くようになる(1年以上、ロキソニンを毎日服用している状態)


5、2025/10/29、初回レッスン

 (施術、セルフケアの指導)

 →左上腕屈曲160度くらいで患部に痛みが走り、最大可動域は180度以下で痛みが出る、腕を下ろすときも160度くらいの角度で痛みが走り、最も痛みが強い


6、2025/11/3、2回目のレッスン

 (初回レッスンから5日目/施術、セルフケア、簡単なエクササイズ、姿勢の指導)

 →課題のケアを1日3回行い続け、レッスン前日に初めてロキソニンを飲まずに寝ることができ、ズキズキする痛みが1,2日ほどない状態


7、2025/12/3、3回目のレッスン

 (前回レッスンから1ヶ月後/施術、セルフケア、簡単なエクササイズの指導)

 →ロキソニンや湿布を貼らずに過ごせるようになる。引越しがあり、一日だけ痛くなる前にロキソニンを飲んだ。痛くなる箇所が局所的になった。課題のケアはこまめにやり続けている。


8、2026/1/21、4回目のレッスン

 (前回レッスンから1ヶ月と3週間後/施術、セルフケア、簡単なエクササイズの指導)

 →すこぶる良くなり今までで一番痛くない。寝返りも打てるようになった。長時間運転しているとだんだんしんどくなってくることはあるが、日常生活では問題がなくなってきた。年末年始でケアがあまりできない日もあったが基本的に課題のケアは続けている。またケア自体も楽にできるようになってきた。


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レッスンを受けられる前の整形外科での治療については主に以下のようなものでした。


・注射や鎮痛剤で炎症を抑える

・衝撃波治療で石灰を砕く

・リハビリで関節が固まらないように動かす


しかしこのような整形外科での治療では、痛みを発生させている、その方の肩関節の歪みの状況を改善する項目がありません。というか整形外科には、ねじれとか歪みという概念自体がないといっても良いと思います。レントゲンレベルで明確に診断できる「変形」しか認めていないとも言えます。


しかし実際はそこを改善しないかぎり、石灰を抑えることがなかなかできず、回復にとんでもなく時間がかかってしまいます。この方の場合、現に一向に良くならない状態が一年半くらいありました。


故障は理不尽に起こることはありません。

なるべくして起きています。

その人の身体の使い方によって起きていることがほとんどです。


ある箇所が故障に至るということは、逆にいうとそれだけ何十年とかけて同じ箇所に負担をかけ続けてきたということです。年を重ねるにつれて動きのくせは強化され、その負担は掛け算式に増えていきます。そして耐えられなくなったときにバランスを保てなくなり故障に至ります。


肩関節とは身体の中で最も可動性の高い関節ですから、私に言わせれば、故障している腕は「知恵の輪がすっかり絡まってロックされている状態」みたいなものです。このがんじがらめの状態で石灰の発生を抑えること自体に無理があると思います。


またその絡まりをほどいていくには、リハビリの目的である「関節を固まらないようにする」という視点では到底不可能です。関節の位置関係だけでなく、骨と筋肉における位置関係も、何もかも絡まっている状態のまま関節を動かしてもただ患部が痛いだけです。


私の施術では徹底的にねじれをほどいていく目的で、前腕から触っていきます。前腕には2本の骨があり、親指側の橈骨が回転することで鍵を回すなどの動き(回内/回外)ができるわけですが、その2本の骨と手首や肘との関係性によってロックがかかった状態となります。本来の可動性が制限された分だけ、その影響は上腕骨や肩関節、手首にも及びます。このように故障とはお互いが悪循環を起こし合っている状態と言えます。


逆に言えば、一つの悪循環を改善すると、その影響は他の関節にも良い影響を与え始めます。そうするとさっきまでロックがかかっていて施術しづらかった部位も施せるようになっていきます。そうやって一つずつねじれをほどいていき、故障を起こしている部位に直接関係する骨や筋肉の位置関係を整えることができると、その瞬間、患部の痛みが劇的に緩和します。まだ絡まったままだとしても、知恵の輪のロックがかからなくなった時点で関節の遊びができ、痛みが軽減するようなイメージです。


そして人間は機械ではないので、自然治癒力の本来の力が発揮されていきます。

その自然治癒力をさらに発揮させていくには、こまめにねじれをほどく方向へと促し続けることが大切です。それをやればやるほど回復力は劇的にアップします。これを成し遂げるのが「セルフケア」です。


もちろん闇雲にやるのではダメなので、今、その人にとって一番重要なセルフケアをきちんと指導します。


今回のケースは、その方の家族の方が私のレッスンを6年近く学んでくださっているので強力なコーチがそばにいるようなものでした。正直これはかなり大きな回復要因です。なぜなら、数回のレッスンではいくら丁寧に教えてもすぐに覚えられることは少ないし、自分の既存の知識が邪魔をして、適切なケアが行えないことも多々あるからです。(大抵、ケアの実践に対して消極的な判断をする方がほとんどです)


そのため今回のケースは私にとっても、適切なセルフケアがもたらす回復力のすごさを改めて認識する良い機会となりました。失礼承知で正直に言ってしまえば、この方が経たセルフケアは整形外科のリハビリを受けるより断然効果的なケアだったと思います。


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今回はいつもと違う視点でプロセスについて書いてみましたが、これでもレッスンで起きた全てを書いているわけではありません。


私の施術では、患部は一切触りません。

患部が痛い動きは一切避けます。

患部が痛みを出す動きとは、やってはいけない動きだからです。


しかし故障している身体には別の痛みがあります。

ねじれをとるために必要な施術によって起こる痛みです。


今まで無言で負担してくれていた箇所にメスを入れる感じです。

思いっきり疲労物質が溜まりに溜まっており、それらは施しを加えると、加えれば加えるほど流れ去ってくれるのですが、流れ去るまでは痛みとして感じます。また骨を本来の位置関係に戻すために必要な施術も、動いていなかった骨を動かすので言うなれば身体の最も深部の痛みを感じます。


しかしこれらの痛みは全て、「問題なかったら痛くない場所」です。そのため状態が改善してくると、痛みを感じなくなり、ほとんどの部位で逆に「気持ちよさ」として感じられるようになっていきます。このように、故障の痛みとは違って、回復に関わる痛みは快に転じる痛みであるということも大きな違いです。


できるだけ誤解を招いたり怖がらせたりしたくないのでくどくど書いてしまうわけですが、簡単に言えば、私の施術は荒療治です。しかしそこまでメスを入れないと動くものも動きません。現に1年半動かなかったものが、1レッスンごとに劇的に回復していくくらいの成果が出る方法であり、今後は故障する前より良い状態にしていくことも可能な方法です。


しかもそのころには「ちょっと痛いけど気持ちいいレッスン」になっていき、身体の使い方や簡単なケアを習得していただければ、二度と故障していたころの身体のレベルにまで落ちることはありませんし、生活習慣もおのずと変わります。だからそれなりに価値のあるやり方であり、根本的に変えたい人にとってはとても気に入っていただけます。(私のレッスンの自慢は、リピーター率がかなり高いことです!)


次回は、乳がんの手術をされ、その後四十肩になったり鉛筆が持てないくらいの状態になり、すぐ疲れるので大好きな外出ができなくなった方の回復プロセスレポートも詳しく書いてみようかと思います。


身体はやってみないとわからないことだらけではありますが、身体が喜ぶ状態に導いてあげると、身体は水を得た魚のようにどんどん元気を取り戻していく様を何度も目にしてきているので、願わくば一人でも多くの人に体験してほしいと思います。

 
 
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